AI検索経由のトラフィックはどこまで伸びる?ChatGPT時代のAIO×SEO最前線

2025/05/05 作成
AI検索経由のトラフィックはどこまで伸びる?ChatGPT時代のAIO×SEO最前線

AI 検索トラフィックはどこまで伸びる?ChatGPT 時代の AIO×SEO 最前線

サマリー

  • 平均 AI 検索流入シェアは 0.17% と小さいが前年比 +280% で急成長
  • 教育系では AI > Bing の流入比率を記録したサイトも(最大 18%)
  • 今こそ AIO×SEO ハイブリッド で先行者利益を取る好機

結論:2025 年時点、ショッピングサイトなど主要分野では AI 検索 > Google 検索 と言える事例は報告されていません。
ただし教育・学術プラットフォームなどニッチ領域では逆転現象が発生しており、流通規模は小さいながらも放物線的に伸びています。

2025 年時点におけるショッピングサイトなど主要な分野では、ChatGPT などの生成 AI 検索ツール経由のオーガニック流入が Google 検索を上回ったという公的な報告はありません。ただし、教育・学術系など一部のニッチなケースでは、AI 検索経由のトラフィックが従来の検索を上回る例も出てきています。

一般的に、Google は依然としてウェブサイトへの主要な集客源であり、AI チャットボット経由のトラフィックは 全体のごく一部 に留まっています。たとえば Ahrefs が 2025 年 3 月に発表した 3,000 サイト規模の調査によれば、平均的なウェブサイトのトラフィックに占める AI チャットボット経由の訪問者は わずか 0.17% 程度でした。特に EC(ショッピング)分野では、約 60%以上のトラフィックが Google 検索から来ているのに対し、ChatGPT 等 AI プラットフォームからの流入は 1% 未満 という報告もあります。 このデータからも、少なくとも現状ではショッピングサイトで「AI 検索> Google 検索」となるケースは極めて稀 と言えるでしょう。

もっとも、生成 AI からの流入が急増している兆候 は各種データで示されています。Kenichi Suzuki 氏によるクリックストリーム分析では、2024 年 7 月には ChatGPT 経由の流入が 1 日あたり 1 万未満のドメイン数だったものが、11 月には 3 万以上のドメインに増加 していました。 実際、ChatGPT は2024 年 8 月に世界全体でのトラフィックが Bing を上回った と報告されており、その成長スピードは無視できません。WSJ の調査でも「消費者の 17% が検索エンジンの代わりに ChatGPT を使っている」との結果が出ています。こうしたデータは、検索行動の一部が AI チャットボットにシフトしつつあることを示唆しています。

一部のニッチなケースでは AI 経由トラフィックが従来検索を上回る現象も出始めています。Semrush の分析によると、教育・学術系サイト(研究出版や大学プラットフォーム等)では、Bing 検索からよりも ChatGPT からの流入の方が多かった例が確認 されています。また、調査対象サイトの中で最大値となるサイトでは、全トラフィックの 18% が AI チャットボット由来だった とされています。もっとも、これらは業界全体から見れば特殊な例であり、特にショッピング分野では依然として Google が主流です。

まとめると、現在のところ ChatGPT など AI 検索経由の流入が Google 検索を凌駕したと公表されているショッピングサイトの事例は見当たりません。しかし、AI 検索経由の流入は確実に増加傾向 にあり、SEO 担当者やマーケターは Google アナリティクス等でAI 由来のトラフィックをセグメント分析し、どのページにどの程度訪問があるかを把握しておくことが重要です。Kevin Indig 氏も「こうしたツールの利用が増え続ければ、いずれ Google に迫る可能性もある」と述べており、今後の推移に注視が必要でしょう。AIO 総研としてもこの意見には同意していますが、SEO と AIO はどちらか片方をやればいいというものではなく、両立させていくべきものであることは念頭に置いておいたほうがいいでしょう。

Key Takeaways

  • 現状は Google 優位 —— 特に EC は検索流入の 60%超を Google に依存
  • AI 経由は成長率が桁違い:前年比 3 桁成長が続く限り早期対応が吉
  • 測定必須:GA4 で referer=chat.openai.com 等を活用し AI 流入を可視化

AI 時代にウェブ画像の重要性は低下しているのか?

AI チャットボットはテキスト主体の回答形式を採るため、 「画像は軽視される」という誤解が一部にあります。
しかし Google の生成 AI 検索(SGE)は 画像・動画を回答カードに統合 し始めており、視覚要素はむしろ CTR を押し上げる材料です。

実際には画像(および動画)の持つ役割は依然大きいと指摘する専門家が多いのも事実です。Google は生成 AI を活用した検索体験(SGE)においても、画像や動画を積極的に組み込む 方針を示しています。具体的には「SGE では手順系のクエリなどで写真や動画を組み込んだ回答を表示する」と発表しており、視覚コンテンツは AI 検索の出力の一部 となることが明言されています。 たとえば「デッキのインストール方法」「サッカーのリフティング練習」「ヨガのダウンドッグのポーズ」など、手順や実演を伴う検索クエリでは、テキスト回答だけでなく適切な画像・動画が提示されることでユーザー満足度が向上します。こうしたクエリでユーザーを惹きつけたい場合、質の高いビジュアルコンテンツを用意することが AI 検索時代でも成功の鍵 になります。

画像が AIO×SEO で効く 3 つの理由

  1. 手順系クエリ では画像入り回答がユーザー満足度を最も高める
  2. 広告枠 も SGE レイアウト内で画像を重視
  3. E‑E‑A‑T 強化:オリジナル写真や図版は専門性・経験値を裏付ける

広告分野においても画像の重要性はむしろ増しています。Google の SGE では検索結果上部の広告表示にも変化があり、「You May Also Like」など AI 生成のレイアウト内でもビジュアル要素が重視 されています。広告最適化の観点から「SGE は画像を優先表示するため、魅力的な画像の活用が不可欠」との指摘があるのはそのためです。

さらに、SEO とユーザー体験の観点でも画像軽視は得策ではありません。Google はコンテンツ品質評価の指針として E‑E‑A‑T を掲げており、ユーザー自身の体験を示すオリジナル写真や専門性を補強する図版・インフォグラフィックは信頼性向上に寄与します。Google は画像検索のランキング要因として画像の解像度や品質にも注目しているため、小さく粗い画像では上位表示されにくいとされています。 また、ChatGPT がウェブページを閲覧して回答を生成する際、画像に適切な alt テキストやキャプションが付与されていれば、その内容を踏まえた回答が可能になります。逆に言えば、画像だけで伝えてテキストに起こしていない情報は AI には拾われない可能性があるため、むしろ AI 時代には画像の内容説明を充実させることが求められます。

総じて、「AI 時代に画像の重要性が下がる」と断言するのは適切ではありません。純粋にテキスト対話型のツール上では画像は直接表示されないものの、検索体験全体で見れば画像・動画は依然重要 です。Google も「有益な情報へのジャンプ台として設計しており、ウェブへのトラフィック送信を継続する」と表明しているように、魅力的なコンテンツ(テキスト+画像の組み合わせ)を提供することが AI 時代でも肝心 と言えるでしょう。

Key Takeaways

  • AI は alt テキストを一次テキストとして解析
  • 画像は SGE 広告面でも強力なフック になる
  • テキスト+画像の"二刀流"が AIO 時代の王道

参考文献・出典


著者情報・更新履歴

執筆者: AIO 総合研究所 編集部(執筆担当:佐藤 健介
初回公開: 2025 年 5 月 5 日
最終更新: 2025 年 5 月 7 日

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